2019年10月23日水曜日

ジョーカーを見てきました

IMAXシアターでジョーカーを見てきました。
正直、自分はこの映画を観るつもりはありませんでした。予告編を見る限り、自分の中のジョーカーのイメージと本作のジョーカーのイメージがあまりに違いすぎたためです。やっぱり、ジョーカーのイメージって悪のカリスマなんですよね。ダークナイトのジョーカーやジャック・ニコルソンのような強いジョーカーが自分の中のジョーカーなんですよ。
でも、映画を否定する以上は、やっぱり見てからじゃないといけないと思い、この映画を観ました。

映画を観た後、この映画の評価が180度変わりました。
非常に良くできた映画だと思います。ジョーカーというキャラクターを題材として使いながらも、貧困層の一人の男が堕ちていく様子を、ドキュメンタリー映画のように撮っていて、リアリティがすごく強い作品でした。ホアキン・フェニックスの演技があまりにリアルすぎて、狂人のしぐさ一つ一つがリアルで不気味でした。こんな人、本当にいそうです。正義の味方がいない世界というのも、映画に現実味を持たせる設定として、うまく働いている気がします。

この作品のジョーカーは、周りの人間に踏みつけられながら生きる、ただの一人の弱者です。そんな、貧困層の弱者が、富裕層の人間に反旗を翻し、その姿に、周りの貧困層の人間が連鎖的に感化され、炎上するという、まさに、現代のネット社会でこそ起こりそうな事件を描いています。この映画を観たとき、「危険な映画だな」と思いました。この映画のジョーカーは、映画の中だけでなく、現実世界の人々にまで火をつける可能性があると思ったからです。ただ、そう思ったあと、よく考えたら、そんな反乱を起こすような人たちは、この映画を観に来ることができないんですよね(お金がなくて)。映画を観に来ている人間は、大なり小なり、映画の中でチャップリンのモダンタイムスを見ている富裕層にカテゴライズされるのかもしれません。この映画がテレビで放送されたり、DVDで安くレンタルされるようになったとき、真の危険が社会を襲うのかもしれませんね。京アニ放火事件の犯人も、おそらくこの作品のジョーカーと同じような人なのかもしれません。きっと、これからジョーカーがどんどん社会の中で増えていくのでしょうが、その対策方法がないのが恐ろしい...。

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