2017年6月19日月曜日

プロヴァンス、ランゴーニュ旅行、フランスの田舎巡り2~ランゴーニュ編


プロヴァンス旅行2日目、アニメNOIR(ノワール)の中で、 かつてランゴーニュ写本が書かれた場所、ランゴーニュに行ってきました。ランゴーニュはプロヴァンス地方よりも北側、オクシタニー地域圏の山間に位置する、人口3000人程度の小さな街です。
超ド田舎のため、街まで行くだけで一苦労です。
ニームからランゴーニュに行くには電車で一度アレスという町まで行き、そこからバスで2時間半ほど山間の道を行かなくてはなりません。


アレス(Alès)
アレス周辺は何もなく、遠くに変わった見た目の山があります。

アレス駅で下車し、バスに乗り換えます。

そして、ひたすら、ただひたすら山間の道を行くのですが...


き、気もぢ悪い...
自分はそこまで車酔いする方ではないのですが、長い長い山道には100連ヘアピンぐらいあり、そんな自分でも余裕で酔いました。左右に2時間半揺られるのです。
ただ、道中のフランスの広大な自然や田舎の小さな町はとてもきれいでした。

<バスからの景色>
 ↑広大な山々と湖

 ↑フランスの農家という感じの建物

 ↑道中に謎のお城がありました。Château de Portesという城らしいです。辺鄙なところにあるので、フランス人でもこの城の存在を知らないのではないでしょうか?

Château de Lucというワインの生産している城らしい

道中の小さな町にあったフランス国鉄(SNCF)の駅舎は、大きな町にあるものとは異なり、とても小さなものでした。でも、一応、SNCFの看板が建物の入口についています。日本人でこのような駅舎を見たことがある人もなかなかいないのではないでしょうか?

 ランゴーニュ(Langogne)
強烈な車酔いと闘うこと2時間半、ようやくランゴーニュの駅舎に到着しました。基本的に列車がないので、ホームへの入口のカギは常に閉ざされています。ほとんどバスだけのためにある駅舎のようです。田舎らしいですね。

駅の近くにある獣の像は、おそらく、大昔にランゴーニュに出現したUMAジェヴォーダンの獣です。オオカミに似た巨大な獣が大勢の街の住人を殺したそうです。

ランゴーニュの街中は、メインの通りの周りにいくつか通りがあり、教会やお店、住宅があります。ちなみに、街中は携帯のインターネットがほとんど繋がりません。田舎だからか...。
また、この街は観光地というわけではなく、ましてやアジア人が全然いないため、道行く人にじろじろ物珍しそうに見られました。このような秘境の地にわざわざ来る人なんていないですよね。

街は自然の中にあり、街の傍らにはラングイルー川とアリエ川という小川が流れます。

街には中世の建物が残っています。

謎の石碑




↑川にかかる古い橋。

また、街の中心には古いマルシェの建物があります。1743年に建てられたものだそうです。

 ↑Chapelle du couventという割と新しいシャペル。

その横にはLa chapelle des Pénitentsという小さくて古いシャペルがあります。

ロマネスク様式のL'église Saint-Gervais-et-Saint-Protaisという教会は、12世紀に建てられたものだそうです。ここでランゴーニュ写本が書かれたのかもしれませんね。

 ↑教会内部、小さな教会ですが、中は照明がほとんどなく、かなり雰囲気のある教会です。



↑イラストの背景資料に使えそう。


 ↑ガラス張りの箱の中で眠るキリスト


ランゴーニュに行くには、ニームから電車とバスで行かなくてはならないわけですが、田舎なので、バスの本数が極端に少ないです。午前中のバスは11時くらいまでしかなく、その次は、16時前、または曜日によってはないということもあります。

自分が行った日は10時前にランゴーニュに到着し、16時前のバスで帰る予定でしたが、ランゴーニュには基本的に観光スポットと呼べる場所もなく、時間をつぶすのは難しいと判断し、急遽駅舎で11時のバスのチケットを取ってもらいました。わざわざ3時間以上もかけて、ランゴーニュに行ったのですが、30分ほど滞在して、トンボ帰りしました。帰りはバスを乗り継ぐことになりました。ランゴーニュから出発するバスは、どちらかというと大型のワゴン車という感じのものでした。バスが10分ほど遅れてきたので乗り継ぎのバスに間に合うかどうか、かなり微妙なラインでしたが、ぎりぎり次のバスの到着の2分前に到着しました。田舎をなめると危ないですね。
ちなみにバスはトイレ付きではないので、トイレは事前に済ませておくといいです。基本的にトイレ休憩もなしです。

まあ、フランス国内にいても行くのが困難な場所なので、日本からランゴーニュに行く人はいないと思いますが。NOIRが好きな人はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

↓ランゴーニュの紹介動画がYou tubeにありました。

2017年6月11日日曜日

プロヴァンス、ランゴーニュ旅行、フランスの田舎巡り1~ニーム編


この間、フランス南部のプロヴァンス地方にある都市ニームとアルル、そして、アニメNOIR(ノワール)においても重要な街、ランゴーニュに行ってきました!
ランゴーニュ。そう、NOIRにおいてストーリーのカギを握るランゴーニュ写本が書かれた街です。実際に、そこに何があるのか気になって、見に行ってきました。
長くなるので、今回は第1章ニーム編から。

プロヴァンス地方:ニーム

グルノーブルから、TERとTGVでおよそ2時間くらいの場所にある町、ニーム(Nimes)は、古代ローマの建物が残る街です。ランゴーニュに行くためには、一度ニームを経由しなくてはならないので、ついでにニームにも観光してみました。

駅内部は一部がちょっとローマっぽい。

駅前の噴水がある広間。

円形闘技場:アレーナ
ニーム駅を出てすぐのところに、まさにローマを思わせる円形闘技場(アレーナ)があります。闘技場が、ここまで当時のままの状態で残っているのはニームだけなのだとか。
円形闘技場自体の正確な入場料は忘れましたが、ここで他のメインの観光場所メゾン・カレ、マーニュの塔がセットになった入場券が買えます(13€)。オーディオガイドも無料で借りられます。ただし、借りる際にはクレジットカードなどパスポート以外で何か人質となるものを預けなくてはなりません。

↑円形闘技場の内部

円形闘技場は、すべて階段となっており、その1段1段が結構高いため、登るのがすごいしんどいです。普段、運動不足なせいか、最上段まで登るまでの間に体力を相当消費しました。実質、軽い山登りです。古代ローマ人は体力があったんですね。


ちなみに、闘技場の最上部は柵がないため危険です。普通に死にます...。
最上段に立つのは禁止されているそうです。しかし、これは自殺者とかいそうですね...。せめて、何かしら柵を付けたほうがよさそう。映画アメリでも描かれていますが、パリのノートルダム大聖堂では自殺者が多く、現在では飛び降り自殺防止のため厳重に柵が張り巡らされています。

教会、アウグストゥスの門
ホテルの近くにはEglise Saint Baudileという、パリのノートルダム教会の縮小版みたいな感じの教会があります。


この日は、フランスでは祝日昇天祭だったため、教会でお祈りをささげていました。

 教会横にはアウグストゥスの門と呼ばれる、古代ローマ時代の遺跡もあります。
↑奥の方にアウグストゥスと思わしき像が立っています。

ワニのシンボル
街の中心部には、ニームのシンボルであるワニの噴水があります。正確にはヤシの木に繋がれたワニです。
このワ二のシンボルは、ニームのあちこちにあるメダルや柱にも描かれています。ワニはおそらくナイルのワニです。大昔、ニームの軍がクレオパトラ軍を打ち破ったことのシンボルなのだそうな。

メゾン・カレ
街の西側には、紀元前16年に建てられたメゾン・カレと呼ばれる、聖闘士星矢に出てきそうな建物があります。写真で見るよりも、意外と小さく、柱も補修しているのか、少し新しい感じがしました。正直、あまり古代の古さを感じることができない建物でした...。


フォンテーヌ公園
街の北の方に行くと、ローマ時代の雰囲気が残るフォンテーヌ(泉水)公園があります。

↑ショップとかあったらRPGの世界っぽいかも。 

↑白鳥が泳ぐ泉

↑公園の周囲の泉

 公園までの道中では、美しい水路があり、魚が泳いでいます。

ディアナ神殿
ディアナ神殿と言えば、ポルトガルやスペイン、昔のローマなどいろいろなところにありますが、フランス、ニームにもあります。ただ、この神殿が何のために建てられたかは謎のままだそうです。一説によると、神殿ではなく図書館なのではないかとも言われています(引用元)。こちらの神殿もフォンテーヌ公園内にあります。

内部は無料で見ることができます。なかなか、雰囲気のある神殿です。

謎の模様が描かれた石板のようなものが。きっと、エヴァンゲリオン関係の何かだとおもいます。きっと、そう...。

暗く狭い通路がミステリアスです。少し、灰羽連盟っぽいです。

マーニュの塔
公園の奥の方にある街の展望台です。ニームは城塞都市なため、見張塔として建てられたのが、マーニュの塔です。今では、街を一望できる展望台として使われています。

  
 この公園の丘をひたすら、ただ、ひたすらに炎天下(気温35℃!)の中登っていくと、マーニュの塔に到着します。正直、円形闘技場で体力を使い切っていたため、ここまで来るまでの間に途中休憩をはさみました。

登り続けて、ようやくマーニュの塔に到着。円形闘技場もそうですが、古代ローマ時代の建物とは思えないくらい、保存状態がいいですね。やっぱり石の建造物の方が、残りやすいですね。それにフランスは日本と違い地震がないので、そういった要因で保存状態がいいのでしょう。そんなヨーロッパで、遺跡が壊れる理由としては、主に戦争で破壊されているケースが多いように思います。人災です。

マーニュの塔からの眺め。ニームの街を一望できます。でも、ここまで来るのが疲れる...。

食事
ニームは、古代ローマの街ということで、イタリアンの店が多いです。なので、街の中心にあったイタリアンの店に入ったのですが、料理が出てくるのが超遅い!結局、この店に2時間以上いたのですが、料理が遅いし、大しておいしくなかった...。なぜか、フランスでは、あまり良いイタリアンのお店にあたったことがない...。

                      2日目ランゴーニュ編に続く→