2018年7月1日日曜日

リズと青い鳥見ました!すべてが尊すぎる!(イラストあり)


京都アニメーション制作「響け!ユーフォニアム」のスピンオフ作品「リズと青い鳥」をフランスから日本に帰って見てきました!アニメ第2期序盤で描かれた希美とみぞれのその後のお話です。

リズと青い鳥はフランスのアヌシーで開催された、国際アニメーション映画祭(アヌシー滞在の記事も今度書きます)で上映されたのですが、残念ながら、チケットがとれませんでした...。当日、アヌシーに赴き、列にも並びましたが、目の前でシャットアウト...。立ち見でもいいので見せてください!と交渉しましたが、セキュリティの関係上無理だと言われ断念...。ユーフォニアムを全話復習して来たのに!アヌシー国際アニメーション映画祭がまさかこんなに熾烈な戦いの場だとは...。初参戦でぼろ負けしました...。

映画館を後にして、宿に戻って、気づいた時には日本行きの飛行機のチケットを購入していました。仕事のプロジェクトが佳境に入っている忙しい時期だったので、仕事に影響してはいけないと思い、週末だけ日本に帰りました。実質、日本には土曜日の夜しか滞在できず、映画自体も東京都内ではもうほとんど上映されていなかったため、わざわざ埼玉まで行きました。さらに、出国前、フランス側では、大規模なストライキで電車もバスも動いていないという追い詰められた状況。そして、駅に向かう際に自転車が壊れるなど、いくつもの数えきれない災難に襲われましたが、何とかリズと青い鳥見れました!本当に、本当に大変で長い戦いでした...。映画一本見るのにここまで苦労するのは、多分、人生でこれが最初で最後だろうと思います。でも、この映画はそんな苦労をしてでも劇場で見る価値がある映画だったと思います。映像や音楽が素晴らしく、登場人物やその他いろんなものすべてが、みぞれと希美の関係を描くために存在していた気がします。

OP
OPのみぞれが足音で希美を判別しているシーンたまらなく好きです。そして、みぞれと希美が歩くとき、いつもみぞれが希美から少し距離を開けて後ろをついて歩く、この二人の距離感好きです。希美のポニーテールが揺れている描写も小動物っぽい感じでなんかいいです。
音楽室に二人きりのシーンで希美の肩に頭を持たれかけようとして失敗するみぞれを見て、頑張れー!って応援したくなりました。
そして、このシーンの二人の会話ですが、そのかみ合わなさが、ほかの百合ップルたちと違って歪です。なんで、この二人は一緒にいるんだろう?歯車があっていない二人というのが、このシーンからも分かります。同時に、みぞれの片思いに近い雰囲気が伝わってきて、切ないです。みぞれはアイドルに恋する少女で、アイドルは希美という構図です。まどマギの眼鏡ほむらちゃんとまどかの関係に似ていますね。でも、希美の言動に一喜一憂して振り回されるみぞれはかわいいですね。

大好きのハグ
希美に大好きのハグしてみようかっと言われたとき、みぞれが完全に思考停止状態になっているシーンがたまらなく好きです。きっと大好きのハグはみぞれにとっては刺激が強すぎるので、本当にされたら気絶しちゃいそうですね。キマシ、キマシ....。これもイラストに描きたい

青い鳥の羽
この作品の象徴的な青い鳥の羽。
みぞれが希美からもらった青い鳥の羽を籠にいれて保管しているのを見て、愛が重いなと思いました。みぞれヤンデレ要素ありすぎる。

みぞれの反撃
新キャラの剣崎梨々花(デカリボン先輩とちょっと似ている)がのぞみぞに割り込んできている感じも百合好きとしてはたまらないですね。みぞれを巡る希美VS梨々花の同人誌を読みたいです。
みぞれが希美にプールに行こうと誘われたとき、あえて、他の子も誘っていい?と聞くシーンのみぞれがいじらしいです。希美は人気者で、他の友達とよくつるんでいて、それがみぞれにとって、自分も友達の一人にすぎないんじゃないかと、不安の種になっています。そんなみぞれの気持ちも考えず、それでも希美はみぞれが無条件で自分についてきてくれると信じ切っています。そんな、希美ですがみぞれの思いがけない言葉に動揺します。普段自分が感じていることを希美に知ってもらうために、みぞれが反撃している貴重な場面です。みぞれ、頑張った!みぞれの思いがけない反撃に、希美が不安な表情を浮かべているのが百合的にグッドです。希美のみぞれに対しては独占欲が強い一面が見れて、ちょっと、「おおっ」って思いました。実際、図書館のシーンを見ると、希美は必ずみぞれのそばにいるようなので(どこかから監視してる?)、意外と希美もヤンデレ要素があるのかもしれません。

リズと青い鳥
最初、孤独な少女の下に現れた青い鳥の少女が希美で、孤独な少女リズがみぞれでしたが、二人の関係が途中から逆転しているシナリオ構成が見事でした。音楽の才能があるみぞれが青い鳥で、そのみぞれの未来を願う希美。絵本「リズと青い鳥」の内容の理解を通して、二人がお互いの気持ちを徐々に理解していく描写が素晴らしいです。絵本のラストに対して「またいつでも戻ってくればいいのに」、「自分なら青い鳥を閉じ込めておくのに」と言って、青い鳥を解き放ったリズの心境を理解できないでいた希美とみぞれでした。青い鳥自身もリズのことが好きで、一緒にいるのだから、ますますリズの心境が分からなくなります。でも、青い鳥の少女がリズのことをあまりに好きすぎて、その気持ちが青い鳥の少女を本来いるべき場所から遠ざけていることに気づくみぞれと希美。同時に、絵本と同じシチュエーションに、自分たちが置かれていることに気づいてしまう二人。
最後の二人の本気のセッションでは、飛び立つ決心をしたみぞれと、同時にその本気の思いに対して、みぞれに真正面から向き合い、泣きながら彼女の決心を受け入れ、みぞれとは異なる道に進むことを決める希美を見て切ない気持ちになりました。セッションの後、理科室で、みぞれが大好きのハグで希美に告白するシーンでは、出会ったときのことはよく覚えていないという希美ですが、その後で、昔の回想をしていることから、本当はしっかりと覚えていて、みぞれが飛び立てるように、あえて着け放して言ったことが分かります。みぞれが希美を好きというのに対して、希美はみぞれのオーボエが好きと言い、これによって、希美はみぞれに音楽の世界で羽ばたいてほしいという思いを伝えます。みぞれを突き放してでも、彼女の未来を願う希美の心境を思うと胸が痛いです。まさに愛ゆえにですね....。

希美の複雑な精神構造
希美はみぞれを親友と思う気持ちと、みぞれの演奏技術に嫉妬のような感情を抱いているんですよね。アニメ版で、部活をやめる時の理由について、本人はみぞれが頑張っていたからというポジティブな理由しか言っていませんが、久美子に「みぞれは初めからコンクールメンバーだったから」とぼそっと漏らしていることから、すでにこのころからみぞれに対して負の感情も持っていたのだと思います。今回の映画でも、やっぱり希美はこの感情をずっと抱えていて、それ故にみぞれとも険悪になって行きます。でも、そんな負の感情を抱えてきた希美ですが、最後に大好きのハグで一気に吹っ切れるところが、すごく好きです。この瞬間に、ようやく二人は真の親友になれたのだと思います。

おそらく、希美は、人気者でいたいと思う反面、一定の距離からは人を近づけないように自己防衛ラインを張っているのだと思います。悪く言えば、希美は表面上の付き合いしか望まないのでしょう。でも、そんな希美に対して、その防衛ラインを越えようとする人物が、みぞれなのではないでしょうか?OPで、希美の肩に、みぞれが寄りかかるシーンで、みぞれの髪が触れる直前に希美は立ち上がってしまいます。もしかしたら、この行動も意図的なのかもしれません。勇気を振り絞って希美の防衛ラインを越えようとするみぞれから、自身を守るために。もしかしたら、無意識的にこのような防衛行動を行っているのかもしれませんね。
希美がリズと青い鳥の曲が好きな理由を「だって...」と言いかけて止めてしまうシーンがありますが、「だって」の続きはきっと、「オーボエとフルートのソロのかけあいパートがあるから」だと思います。でも、希美はこのセリフを言えないんですよ。きっと、そのセリフは希美の中の防衛ラインに抵触するから。一線を越えたくなくて、続きを言わなかったんだと思います。それで、きっと笑顔でごまかしたんだと思います。きっとあの笑顔は仮面をかぶっているときの笑顔なのだと思います。

おそらく、希美は大勢の中に囲まれていても、ずっと孤独なのだと思います。でも、もしかすると、これは特定のグループに所属しないといけない女子社会において一般的なものなのかもしれません。
だからこそ、みそれは希美にとっての特別なんだと思います。


ラストシーン
最後のシーン、OPと同じように希美の後を歩くみぞれ。日常に戻って緩み切った笑顔を見せるみぞれが最高でした。そして、そこに希美が不意打ちで振り返るところで、映画が終わるという...。
安っぽくて、あまり多用したくない表現ですが、"尊い!”と思いました!

映画の最初「disjoint」の表記がここで「joint」に変わる演出も好きです。二人が本気でお互いに向き合って初めて、二人は真の友達になったんだと思います。


その他
<なかよし川>
デカリボン先輩となつきちのなかよし川カップルが健在なのがうれしかったです。ちゃっかり、夏紀と同じ大学に進学することを決めているデカリボン先輩が、ツンデレかわいいです。二人とも、末永く爆発しなさい。

<くみれい>
なかなか噛み合わない、のぞみぞを見かねて、くみれいがセッションという形で、二人にお手本を見せているのが最高でした。そう、百合ップルとしてのお手本を...。同人誌描きたい....。
何となくですが、リズ青では久美子のキャラデザがさらにモブキャラ化していているような気がしました。本編では主人公だったのに!なんていうか、モブキャラの美少女感。ユーフォニアムは、モブキャラに、かわいい子多いんですよね。

<男子生徒がいない>
この学校、共学なはずなのに、男子生徒がいなくなっているのが面白かったです。練習風景の背景に描かれていることは時々ありますが、セリフは基本的になし。共学の学校が百合の舞台にふさわしい女子校に変えられていて、作品の雰囲気を重視するために徹底されているなと思いました。

<作画>
京都アニメーションの作画がきれいすぎます!細かい足や手、髪の動き、楽器を演奏するときの息遣いなど人物の動きがすごく自然に描写されていて、やっぱり京アニの技術力はすごいです。楽器も手書きで描いているし...。あれを自分がやれって言われたらと思うと、吐きそうになります...。全体の色合いも透明感があって、まさに少女漫画の世界って感じでした。リズと青い鳥の童話の世界も絵の具で描いたようなタッチで、絵本がアニメーションしている感じでよかったです。今回のリズと青い鳥は、技術面と演出、シナリオ、音楽のすべての点において、京都アニメーションの最高傑作だと思います。


最後に

卒業後、二人は異なる進路を選ぶわけですが、ひだまりスケッチのように、大学が近くて住む家は一緒みたいな未来があればいいなと思いました。これが希美の言うハッピーエンドに近いのではないでしょうか?やっぱり、みぞれには希美がいないと生きていけないような気がするんですよね。
そんな思いで、この一枚を描きました。(最近、お仕事でしか絵を描いていませんでしたが(描いたイラストは著作権の関係上公開しません)、久しぶりに自由に絵を描きたいと思いました。)

二人は新居でお引越し作業中です。何となく、希美の方が力持ちそうだと思ったので(運動得意そう)、大きくて重い方の荷物は希美が持っています。小さい荷物でも、みぞれには重いので、少し前のめりになっているのが伝わると嬉しいです。ちなみに、動きやすい格好をしてきた希美に対して、引っ越し向きじゃない格好のみぞれという対比を描いてみました(みぞれはこういうの要領悪そうだと思ったので)。

背景の家は、ひだまり荘みたいな日本風のアパートにしようかと思いましたが、何となくリズの住んでいる洋風の家にしてみました。この間、お仕事でフランスのアンジェのお城で合宿をした際に見た近くの家をモデルにしました。フランスの田舎は、本当にリズと青い鳥の童話の世界のようです。いろんなところから百合オーラを感じました。

正直、リズと青い鳥、もう一回見たいです...できれば劇場で...。でも、さすがにそれは贅沢ですね。一回だけでも、日本の劇場で見れて幸せです...。本当に険しい道のりでしたが、本当に見れて良かった。見ていなかったら、きっと後悔していました。リズ青はここ数年で見た映画の中でも、最高の作品でした!ブルーレイが出たら速攻で買います。きっと自分はそのころにはアリゾナにいるので、アリゾナから取り寄せます!そして、家のプロジェクターで一人上映会をします!

戦利品
劇場で、アクリルスタンドが売られていたので買っちゃいました。2年生メンバーだけですけど。あと、来場特典でポストカードをもらいました。

イオンシネマ熊谷

東京近辺で唯一、自分が滞在する時間にリズ青を見ることができた埼玉県熊谷市にある映画館です。イオン内に映画館があります。埼玉に初上陸でしたが、意外と田舎なんですね(失礼を承知で)。東京に近いからもっと都会を想像していました。イオン内も店舗が撤退していて、正直、すごくさびれた感じでしたが、自分にとってはこの場所はフランスから飛行機に乗ってくるだけの価値がある場所だったんです。こんな気持ちでイオンに来る人がいるなんて、誰にも想像できないと思いますが....。本当にありがたかったです。映画のweb予約は映画公開の数日前からしかできず、それまで、映画の上映スケジュールが未定のことが多いです。最初、神奈川に行こうと思っていたのですが、出発直前に、自分が映画を見ることができる時間帯に映画が上映されないことが発表され、超焦りました。本当に必死で探して、熊谷の映画館を見つけたときは、本当にうれしかったです。イオンシネマ熊谷さん、奇跡を起こしてくれてありがとうございます!
できれば、9月にどこかの映画館で上映されていればいいなと思います。アリゾナに行く前に、日本に一時帰国するので、もし上映されていたら、沖縄でもどこでも行きます!

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