2009年6月7日日曜日

Phantom 〜Requiem for the Phantom〜 第九話「名前」

[アニメ感想]Phantom 〜Requiem for the Phantom〜 第九話「名前」



最近、ファントムのことしか書いてません。忙しいためなかなか更新できない状況です。



おそらく、もう、2ヶ月間はまともに更新できそうにないです。



1週間遅れですが真下版ファントム第9話です。





今回の内容は、ツヴァイにより新たに「エレン」という名前を与えられたアインと二人の逃避行が終わるお話です。アインは再びサイスの下に。


第9話も前回と同様、あまり大きな演出はありません。中だるみな感じです。内容はほぼ原作どおりといったところでしょうか。


サブタイトルにあるとおり今回のテーマは「名前」です。


「NOIR」と「ファントム」は共通して、「名前」に囚われた主人公たちが描かれています。


「NOIR」では霧香とミレイユは「NOIR」という名前の呪縛に終始囚われていましたが、最終的にはその呪縛から逃れ、自分たちは自分たちであるということに気づきます。


「ファントム」ではサイス=マスターにより「アイン」と「ツヴァイ」という名前を与えられた二人の主人公が描かれています。ファントムで面白いのは二人の主人公が対照的なことです。


「吾妻玲二」という真の名前を得て、本来の自己を取り戻した主人公とアインという名前に捕われ続ける主人公が描かれています。


ツヴァイにより「エレン」という新たな名前を得たアイン。アインではないエレンという新たな自分を与えられたのです。しかし、結局エレンはもとのアインに戻ってしまいます。


「NOIR」という名前、「夕叢霧香」という名前。しばしば、「名前」というものは作品の中で自己を決定付けるための要素となっていることがあります。実際には名前というのは一種の記号でしかなく、たとえ名前が変わっても中身が変わらなければそれは同じままです。名前を変えるというのは、この中身の変化を起こすきっかけのようなものなのです。あくまでも「きっかけ」でしかなく、それによって変われるかどうかは本人しだいなわけです。


アインにとって仮の名前である「エレン」もツヴァイにとって真の名前である「吾妻玲二」も結局はただの記号でしかないのです。ツヴァイによりきっかけを与えられても、アインは自分を変えることができなかったのです。


自分を帰ることができた主人公と変わることができなかった主人公が対照的に描かれているのがNOIRとの違いだと思います。


また、「ファントム」でも「NOIR」と同じで、名前に付随して過去というものが二人に付きまといます。過去という呪縛から逃れたツヴァイと呪縛に囚われ続けるアイン。


やはり、与えられたものやすでにあるものにすがり付いて生きていくのは、自ら選択して生きていくよりも楽な道だと思います(ただし、自由はありませんが)。今、自分はかなり自由に生きていますが、自由すぎて逆に辛い場面も多々あったような気がします(贅沢な悩みかもしれませんが…)。現実においてツヴァイのような人間にはなかなかなれないと思います。


長々となりましたが、アニメが好きな自分ははこういうことをしみじみと考えて次回までの1週間を過ごしているのですよ。


まあ、あと今回気になった点がひとつありました。車の中でOPの曲を流していたシーンがありましたが、あのシーンにこの曲は合わないと思いました。もっと別の選曲をすべきだったのではないかと(新曲をここで出すとか)。なんか、いまいちでした。


次回、ついに第1章が終了します。


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